子どもの数の減少や子どもの心の病、アレルギー、小児期の成人病など、今までになかった病気が増え、子どもたちの健康が心配されています。そこで21世紀を担う子どもたちの環境作りが必要と思い、このような多くの人たちが参加でき、情報を提供できるフォーラムを開催しました。フォーラムでは毎回様々な展示や講演会を企画し、たくさんの方々に参加していただいております。
平成8年の「21世紀愛知の子ども健康フォーラム」を第1回として、毎年多数の方々のご参加をいただき、昨年まで25回開催してきました。長年にわたるフォーラムの開催は、県民の子どもの健康に対する関心の高さを示しています。20世紀から21世紀へとなり20年経過していることから、第26回より「あいち子ども健康フォーラム」と名称を変更して継続していきます。
初回は、あいち小児保健医療総合センターの計画のために組織された研究会のメンバーが中心となって1996年に名古屋大学豊田講堂で開催されました。
その後も年に1回継続して開催され、2001年に同センターがオープンしてからは、同センター内の会議室、アトリウム、敷地内雑木林など、同センター
全体を会場として、子どもの健康をテーマとした様々な内容についての情報を提供する、県民を巻き込んだイベントとなっています。
●初回(1996年)21世紀あいちの子どもフォーラムの様子 及び 展示パネル
当日プログラムはこちらです
「すべての子どもに生きていく力を」
生まれてくるすべての子どもには生きていく権利があります。新型コロナウイルスや、様々な争いにより危機感を増す世界情勢、経験したことがない気候変動や自然災害、地域や家庭における貧弱な子育て環境など、現代は子どもにとっても生きていくには困難を感じる時代になってきたと言えます。この困難さは、何の問題もなく成長してきていると思われた子どもにも突然大きく降りかかってくることも考えられます。
生命予後の良くない疾患を持つ子どもであっても、その人生を家族や友達とともに、子どもらしく全うすることが大事ではないでしょうか。小児がんや筋ジストロフィー、神経疾患など始めとする、人工透析や人工呼吸器を必要とする子ども、あるいは、病気が徐々に進行していくような病気をお持ちの子どもなど、その対象となる子どもも様々です。子どもたちが逆境においても「どのように生きていくのか」を社会がどう見守るかが大切ではないでしょうか。小児医療の現場においても、病気を持つ子どもをどう育てていくのかという親も医療従事者も直面する大切な課題につながっています。
第28回あいち子ども健康フォーラムは「すべての子どもに生きていく力を」をテーマに病気を持つ親の皆様、そして地域のみなさまと考えていきたいと思います。
また、第30回あいち小児保健医療総合センター県民公開講座を同時開催します。
「第28回あいち子ども健康フォーラム」
日 時:令和5年11月11日(土)午後1時30分〜午後4時30分
場 所:あいち小児保健医療総合センターよりハイブリッド配信